アミノ酸は、こんな病気や症状にも効果を発揮する
アミノ酸は免疫システムに働きかけて、感染症やがん、アレルギーなどを防いでくれる以外にも、体内のあらゆるところに働きかけて、さまざまな病気やトラブルから私たちの体を守ってくれます。
用途に応じて、自分に適したアミノ酸を日頃から十分とっておけば、体全体の防衛力が高まり、すでに出ている症状を綾和したり、病気を未然に防いだりすることが可能です。
胃の痛み
ヒスチジン・グルタミン酸・グリシン
古くから知られているアミノ酸の薬効に、胃や十二指腸の潰瘍抑制効果があります。
消化器系の潰瘍を抑える働きがあるのは、ビスチジン、グルタミン酸、グリシンの3つ。
これらは、ストレスなどによって過剰に胃酸が分泌されるのを抑え、粘膜に傷がつくのを防ぎます。
冷え性、貧血、つわリ
ヒスチジン・ヨータACA
ビスチジンとヨークACA(20種には含まれていないものの、人体内に存在するアミノ酸)は、血流をよくする働きがあり、
心臓のうっ血や心不全、貧血など循環器系の障害を改善する効果があります。
冷え性やつわりなど、女性にとってつらい症状にも効果があります。
イライラ・うつ
アスパラギン酸・ギヤパ(抑制)、グルタミン・グルタミン酸・アルギ二ン(興宮)
アミノ酸は神経伝達物質の材料となって脳神経系に働きかけます。
アスパラギン酸とギヤバ(いくつかのアミノ酸を使ってTCA回路内でつくられるアミノ酸)は、いずれも抑制性の神経伝達物質で、
細胞の興奮を鎮めるクロールイオンを脳神経細胞に送り込み、気持ちを鎮める効果があります。
逆に、グルタミン、グルタミン酸、アルギこンは興奮性の神経伝達物質で、脳の神経細胞に入って神経伝達を活発にし、気持ちを明るく前向きにする効果があります。
不眠症
アスパラギン酸・ギヤバ・ヒスチジン・トリプトファン
「24時間社会」化が進むにつれて、不眠症で悩む人が増えています。
アミノ酸は、こうした現代病ともいえる睡眠障害にも有効です。
まず、前項の「イライラ・うつ」でもお話ししたように、アスパラギン酸とギヤバには、クロールイオンを脳神経細胞へと送り込む働きがあります。
神経細胞はクロールイオンが入ってくると休息モードに切り替わるため、そのまま安静にしていれば睡眠へと誘ってくれます。
また、ビスチジンとトリプトファンは、抑制性の神経伝達物質をつくる働きがあり、気持ちを鎮め、やがて睡眠状態へと誘導します。
アメリカでは、睡眠薬としてトリプトファンが広く利用されています。
肩コリ
バリン・ロイシン・イソロイシン・アルギニン・グルタミン
肩コリは、デスクワークや車の運転などで長時間同じ姿勢を続けたり、
エアコンなどの冷えによって肩の筋肉が緊張しっぱなしになり、筋肉が疲労したことが原因で起こります。
筋肉が疲労しているということは、その部分がエネルギー不足になっているということなので、枯渇したエネルギーを補給すれば肩コリも治ります。
筋肉にエネルギーを供給し疲労回復を促す働きのあるアミノ酸は、ハリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン、グルタミンの5つ。
これらのスタミナアップアミノ酸を十分補えば、肩コリも改善されます。
また、肩コリを慢性化させないためにも、長時間にわたる酷使によって傷んだ筋肉は、すばやく回収し、新しい筋肉へとつくり替えることが大切です。
そうした、いらないものを回収する、いわば体内のゴミ掃除を担当しているのが免疫細胞です。
免疫細胞は、オタマジャクシが自分で自分のシツポを食べるように、古くなった細胞をどんどん食べ、新しい細胞がスムーズに生まれるのを助けます。
したがって、スタミナアップアミノ酸とともに、免疫力向上アミノ酸を補給しておけば、肩コリを解消するばかりでなく、予防効果も期待できます。
腰痛・膝痛
バリン・ロイシン・イソロイシン・アルギニン・グルタミン
膝や腰は、その周辺の筋肉によってしっかりと支えられることで、複雑な動きに耐えられるようにできています。
つまり、筋肉がサポーターの役目を果たしているわけです。
ところが、加齢や運動不足によって筋力が低下すると、
サポーターとしての効力が失われ、その結果、骨そのものにかかる負担が大きくなって膝痛や腰痛が起こります。
ということは、膝や腰周辺の筋肉を鍛えれば、痛みを軽減し、膝痛や腰痛を治療することも可能になります。
筋肉を鍛える方法は、歩くことと筋肉の原料となるアミノ酸をたくさんとることの2つです。
筋力アップ効果のあるスタミナアップアミノ酸をとり、毎日、30分から1時間程度の散歩を心がけることで、つらい膝の痛みや腰痛から解放されます。
関節炎
ヒアルロン酸をつくる各種アミノ酸
人間の体は、約200個の骨がつながってできていますが、その骨と骨とを結ぶ連結部を関節といいます。
人体の中でもっとも大きな関節が、膝と腰です。
関節では、骨と骨が直にくっついているわけではなく、靭帯によって連結されています。
そして、2本の骨は、直に触れあわないよう、いずれも先端が関節軟骨によって覆われています。
この軟骨にはスポンジのような弾力性があって、関節にかかる圧力を吸収・分散して、骨同士がこすれあうのを防いだり、
関節がなめらかに動くのを助けたりしています。
膝や腰の痛みは、この軟骨が長年の酷使によって、次第にすり減ってしまうことによっても起こります。
軟骨は、水分、コラーゲン、プロテオグリカンの主に3つの成分からできています。
このうち、プロデオグリカンには、ヒアルロン酸やグルコサミンなど、アミノ酸を主成分とする物質がたくさん含まれています。
医療現場では、このうちビアルロン酸を、膝痛の治療薬として利用しています。
膝関節にヒアルロン酸の入った注射液を5回ほど投与すると、膝痛が治るのです。
したがって、体内にアミノ酸がたくさんあれば、アミノ酸が合成してできるビアルロン酸の材料となり、膝痛や腰痛をはじめとする関節炎の改善に役立ちます。
糖尿病
アルギニン・ロイシン
糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足するために起こります。
インスリンは食事をして血糖値が上がると分泌され、血糖値を下げる働きを担っています。
インスリンが不足すると、慢性的に血糖値が高くなり、
これを放っておくと、神経、目、腎臓の順に合併症を起こし、失明したり、尿毒症になってしまいます。
糖尿病は、遺伝的要素が強いと考えられていますが、生活習慣病といわれるように、お酒の飲みすぎや過食、運動不足も引き金となります。
したがって、日頃から、暴飲暴食をせず、適度に運動して太らないような生活習慣を心がけることが重要です。
その上で、インスリンの分泌を促進する働きのあるアルギニンやロイシンをとっておけば、糖尿病予防に効果抜群。
末永く健康を保つことができます。
生理不順
各種アミノ酸+脂肪分
生理は、卵巣から卵胞ホルモンと黄体ホルモンが交互に分泌されることで成り立っています。
この2つのホルモンが正常に分泌されるためには、原料となるアミノ酸が必要です。
生理不順はほとんどの場合、栄養不足と栄養バランスの乱れが原因です。
とくに、ホルモンの原料となるたんぱく質が不足していては、生理を迎えるだけの十分なホルモンをつくることはできません。
したがって、生理不順で困っているようなときは、まず毎日の食事で優先してたんぱく質をとるようにし、ホルモンの原料となるアミノ酸をたっぷりと補うことです。
また、脂肪からつくられるホルモンもあるので、脂肪分もある程度とるようにしたほうがよいでしょう。
不妊症
アルギニン
アルギニンには成長ホルモンの分泌を促進する働きがあります。
成長ホルモンは、精力をパワーアップする効果や精子の数を増やす働きがあるので、アルギニンをとることは、男性側に原因のある不妊症にも効果があるといわれています。
便秘
グルタミン・アルギニン・ハリン・ロイシン・イソロイシン
大腸の管には縦に走る筋肉と横に走る筋肉とがあり、それぞれが同時に収縮することで (これを嬬動運動といいます)、腹の中にあるものを肛門へと押し出しています。
この腸管の運動が正常に行なわれていれば、まず便秘することはありません。
アミノ酸の中でもグルタミン、アルギニン、ハリン、ロイシン、イソロイシンの5つには、筋肉を有効に動かす働きがあります。
したがって、便秘で苦しんでいるという人は、これらのスタミナアップアミノ酸を補えば、腸管の揺動運動が活発になり、便秘解消につながります。
骨粗鬆症
各種アミノ酸
私たちの骨は、つねに少しずつ壊れては、新しくつくり替えられています。
その新しい骨の材料となるのもアミノ酸です。
したがって、アミノ酸をたっぷりとることで、日々、丈夫な骨がつくられていきます。
もちろん、骨量が少なくなる骨粗鬆症にも効果があります。
骨租髭症は30歳以上の女性に多いので、女性はとくに意識してアミノ酸を摂取するように心がけるとよいでしょう。
むくみ
アルブミン・成長ホルモン・アルギ二ン
アミノ酸をしっかりとるということは、間接的にむくみ解消につながります。
私たちの体は、心臓から動脈によってフレッシュな酸素や栄養分、水分などが人体のすみずみまで送り届けられ、
静脈によって老廃物やあまった水分が心臓まで送り戻されます。
動脈から静脈へのバトンタッチは、末梢の毛細血管によって行なわれています。
動脈の毛細血管から組織の中へ出ていった栄養分や水分は、静脈の毛細血管によって吸いとられますが、
このとき静脈の中にはアルブミンが必要で、アルブミンの力によって吸引作業が行なわれています。
ですから、アルブミンが不足していると、十分、水分を吸いとることができず、体はむくんでしまいます。
このアルブミンは、アミノ酸によって体内でつくられるたんぱく質の一種。
食事でとったたんぱく質が一度アミノ酸に分解され、血流に乗って肝臓に運ばれ、アルブミンがつくられます。
テレビのニュースなどで、手足は折れそうなほど細いのに、お腹はパンパンに張っている発展途上国の子どもたちの映像が流れることがありますが、
あれはまさしく栄養不足によるアルブミン欠乏症。
日本でそのような心配はないでしょうが、「ダイエットをしてもちっともやせない」というような人は、
たんぱく質不足によってアルブミンが欠乏し、体がむくんでいる可能性があるかもしれません。
二日酔い防止
アルギ二ン
アルギニンには肝臓内の解毒システムであるウレアサイクルの代謝をよくする働きがあります。
したがって、お酒を飲む前にアルギニンを配合したアミノ酸サプリメントを飲んで肝機能を高めておくと、二日酔い防止になります。
もし、アミノ酸を飲み忘れたり、思いのほか深酒をしてしまったようなときには、まず水分をたくさんとること。
それで回復しないようなら、病院で約15グラムのアミノ酸を配合した「モリヘパミン」などの点滴を打ってもらうと、すぐラクになります。
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